目次
eMAXISとは
eMAXISとは三菱UFJ銀行が提供するノーロード・インデックスファンド・シリーズです。
ノーロードとは、購入時の手数料がかからないという意味です。
ファンドとは、投資家たちから集めたお金をプロが運用する仕組みのことです。
インデックス投資とは特定の経済指数を基に投資を判断する手法です。
したがって、eMAXISとはインデックス投資で運用する販売手数料無料の金融商品ということです。
なお、販売手数料は無料ですが、別途信託報酬は発生しますのでご注意ください。
インデックスファンドとは
投資家たちから集めたお金をインデックス投資で運用する仕組みです。
インデックスとは指数のことを意味します。
たとえば、日経平均株価も指数の一つです。
日本の代表的な会社の平均株価を示しているので、日本の景気を判断する指数の1つとして使われます。
インデックス投資では、日経平均株価のような経済指数に連動するよう投資をします。
インデックス投資が儲かる仕組み
経済指数の中には、長期的に見て上昇し続けてきたものがあります。
たとえば、日経平均株価はここ10年程で約2.6倍も上昇しています(2024年4月現在)。
ということは、10年前から日経平均株価に関連する株を持っていたら儲かっていたということです。
一般的に、日経平均株価などの主要な市場は成長し続ける傾向があります。
そのため、成長し続ける市場の指数に関連する株を保有すると、儲かる可能性があるということです。
これがインデックス投資が儲かる仕組みです。
ちなみに、今まで上昇しつづけてきたから、将来も上昇し続けるという保証はありませんのでご注意ください。
参考元:日本経済新聞公式サイト
eMAXIS Slimとは
eMAXISには、コストの安さが特徴のeMAXIS Slimシリーズがあります。
たとえば、全世界株式のコストを比較した場合
- eMAXIS Slimは0.05775%
- eMAXIS無印は0.66%
Slimシリーズの方が約1桁分も低いです。
もし平均運用額が100万円の場合、1年分の信託報酬料が
- 0.05775%だと、577.5円
- 0.66%だと、6600円
になります。
運用額と年数が増えれば、もっとコストの差が開きます。
そのためSlimシリーズの方がお得です。
eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)のメリット
- 利回りが良い
- リスクが分散される
- 低コスト
利回りがいい
eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)という指数を採用しています。
MSCI ACWIの利回りは過去30年で8.1%と優秀です(参考元:myINDEX)。
たとえば、毎月3万円を積み立てて8%で運用すると、30年で元金1,080万円が4,471万円に増えることになります。
そのため、現時点では利回りがいいと判断できそうです。
ただし、現在のパフォーマンスを今後も維持し続けるという保証はありませんのでご注意ください。
リスクが分散される
オルカンは世界中の株を投資対象としたインデックスファンドです。
投資先が分散されるため、リスクを抑えられるのが特徴です。
たとえば、1社の株に全財産投資して、その会社が倒産すると全財産を失ってしまいます。
ですが、世界中の株に分散して投資をすれば、そのうちの1社が暴落しても影響を軽減できます。
そのため、投資先が分散されているオルカンはリスク耐性が高いと言えるでしょう。
低コスト
eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)の信託報酬は年率0.05775%です。
たとえば、年間平均100万円運用しても、1年間の信託報酬は577.5円しかかりません。
信託報酬年率0.05775%は他のインデックスファンドに比べても格段に安いです。
銘柄 | 信託報酬年率 |
---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン) | 0.05775% |
eMAXIS 全世界株式 | 0.66% |
楽天・VTI | 0.132% |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.09372% |
もし、月3万円を5%で30年運用した場合の信託報酬料を概算すると
0.05775%だと合計約16万円
0.66%だと合計約174万円
になり、約158万円もの差がでてしまいます。
運用期間 | 元金 | 0.05775%資産推移 | 0.05775%信託料合計 | 0.66%資産推移 | 0.66%信託料合計 |
---|---|---|---|---|---|
1か月 | ¥30,000 | ¥30,124 | ¥1 | ¥30,108 | ¥17 |
2か月 | ¥60,000 | ¥60,371 | ¥4 | ¥60,359 | ¥33 |
1年 | ¥360,000 | ¥369,784 | ¥115 | ¥368,571 | ¥203 |
10年 | ¥3,600,000 | ¥4,663,169 | ¥12,475 | ¥4,513,201 | ¥139,541 |
20年 | ¥7,200,000 | ¥12,299,227 | ¥59,835 | ¥11,471,601 | ¥652,719 |
30年 | ¥10,800,000 | ¥24,803,463 | ¥164,320 | ¥22,199,983 | ¥1,741,965 |
eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)のデメリット
為替リスクがある
海外の株を売買する場合、自国の通貨と現地の通貨を両替する必要があります。
通貨の価値は常に変動するため、両替するタイミング次第では損失が発生する場合があります。
たとえば、
10,000円と100米ドルを両替して、時価額100米ドルのアメリカ株を購入
100米ドルの価値が9000円に下落
時価額100米ドルのアメリカ株を売却して、100米ドルを9000円に両替
購入時に10,000円だった100米ドルが売却時に9000円に下落していたので、1000円の損がでました。
このように、海外株の売買には為替リスクがあるので気を付けましょう。
地政学リスクがある
投資先を世界中に分散しているため、様々な国の政治・経済・災害などの影響を受けます。
たとえば、投資先の国の1つで紛争や自然災害が発生した場合、多くの投資家が世界株から手を引くかもしれません。
そうなると一気にオルカンの基準価格が下落する恐れがあります。
このようにオルカンには、経済や政情の不安定な国の問題やイベントが、保有株全体を脅かす場合があります。
まとめ
本記事では、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)を解説しました。
オルカンは
- 低コスト
- 低リスク
- 利回りがいい
ので、堅実な投資先と判断できそうです。
ただし、為替や世界情勢の影響を受けるというデメリットもあるので覚えておきましょう。